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レンタルオフィスとは？

レンタルオフィスとは、文字通りの貸事務所を指す言葉ではありません。一般的に専用の執務スペースの貸し出しサービスを指します。デスクや椅子、場合によってはオフィス家具なども備え付けられている専有スペースで、Wi-Fiやインターネットのインフラが完備されていることがほとんどです。共有のファシリティとして、コピー機やスキャナー、貸会議室などを完備している場合もあります。起業の際に事務所を借りて、必要な設備を自前ですべてそろえるとなると大変です。また、支店や出張所の規模によっては、広いスペースが不要な場合もあるでしょう。ビジネスに必要なスペースと必要な設備をセットに貸し出すのがレンタルオフィスの特徴です。

貸事務所よりもコンパクトな場合がほとんどですが、1人用の狭いスペースから数十人で使用するような広いスペースまで、いろいろなタイプのレンタルオフィスがあります。使用は月額料金で、1室ごとに価格設定されている場合がほとんどです。

レンタルオフィスの業務内容は？
スペースと設備以外に、人的サポートを提供しているレンタルオフィスもあります。ただし、有人の受付や電話代行サービス、秘書サービスなど付加価値の高い人的サポートはオプションになっていることが多いようです。レンタルオフィスの業務内容は、人的サポートを受けるか受けないか、受けるならどこまでの範囲のサポートを受けるかによって異なります。人的サポートを受ける場合は、訪問客の受付・取次ぎ、電話の転送、事務作業のサポートなどが主な業務内容です。

バーチャルオフィスやコワーキングスペースと違いは？
バーチャルオフィスは実際のスペースではなく、住所を貸し出すサービスです。法人登記などに必要な住所を都会の一等地に置きたい場合に利用されます。バーチャルオフィスの住所で荷物の受け取りや転送が可能です。オプションとして、会議室や応接室、コワーキングスペースを借りられる場合もあります。外回りや出張が多く、事務所スペースが必要ないという場合に向いているサービスです。

コワーキングスペースは、フリーアドレスのワークスペースに備え付けられたデスクを複数人でシェアできるサービスです。出張先で事務作業をしたいときや、外回り営業中に事務作業をしたいときなどの利用に適しています。1時間数百円、あるいは1カ月数百円で借りられる場合がほとんどです。

電話代行専業とレンタルオフィスの違いは？

電話代行専業とレンタルオフィスには似ている点も異なる点もたくさんあります。まず、電話代行専業の場合、受ける電話番号は企業がもともと使っていた番号です。企業にかかってきた電話を別の場所にいるオペレーターに転送して一次受付を行います。一方、レンタルオフィスの場合はレンタルオフィスが用意した電話番号です。オフィス自体を借りているので、電話番号もそのオフィスのものになります。

電話代行専業の場合は、オペレーターが行うのは通常一次受付のみです。事前に決められた内容で質問に対する回答をすることもありますが、基本的には、折り返し連絡する旨を伝える形で処理します。ビジネスに不要なセールスや勧誘の電話、返信不要の電話がオペレーターの時点で処理済みになるのが特徴です。企業側は折り返し連絡が必要な電話のみ、手の空いているタイミングで対応すればよくなるので、効率的かつ実践的なサポートといえます。

一方、レンタルオフィスの場合は、契約内容によってまちまちですが、基本的には事務と受付の代行です。受付は共有スペースにあり、来客の取り次ぎなどを行います。電話はかかってきた電話をその場で転送するパターンと、電話代行で一次受付し、折り返し連絡する旨を伝えるパターンがあります。レンタルオフィスの場合は、運営会社のサービスをそのままオプションとして利用するだけでなく、別の電話代行専業サービスを利用することも可能です。

電話代行のメリット
電話代行を利用するメリットは、主に4つあります。1つは重要な電話の取りこぼしを防ぎ、顧客の満足度を向上させる効果が見込めることです。企業や業種によっては、ほとんどのスタッフが外出してしまい、事務所にかかってきた電話を取れない時間帯があります。事務所スタッフの人数が少なければ、事務所にいたとしてもかかってきた電話に対応できないこともあるでしょう。取り損なった電話の中に、商談や契約に直結するものや、重要な問い合わせ、クレームなどが含まれている可能性もあります。もし、そのような電話を取り逃した場合、大事な商機を逃すだけでなく、顧客からの信頼を失うことになりかねないのです。

かかってきた電話に100％対応できる体制にしておくことのメリットは、商機を逃さないで済むということだけではありません。電話をかけてもつながらない、やっと出ても対応が雑というのでは、顧客は不安に感じ、不信感を持つでしょう。一方、電話代行を利用することで電話がつながりやすくなり、プロフェッショナルな対応を受けられるようになれば、まったく印象が変わるはずです。「電話をかければ必ず出てくれる」「電話の対応が丁寧」という印象は、顧客が企業を見る目を180度変えます。電話対応で安心感を与えられれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

2つ目のメリットは業務の効率化を図れることです。業務に集中したいときに限って電話が立て続けにかかってくるという経験をしたことがある人は少なくないでしょう。事務所にいるときは、電話の取次ぎやかけ直しで時間がつぶれてしまうということが少なくありません。メインの業務に集中したくても、電話の相手を待たせるわけにはいかないと思うとどちらにも集中できず、非効率的です。電話代行を利用することで、電話対応のために業務を中断する必要がなくなり、効率よく業務を勧められるようになります。

3つ目のメリットは、業務に不要なセールスや勧誘の電話に出なくて済むことです。慌てて電話に出ても、業務に無関係な電話という場合は、時間の無駄遣いになります。電話代行を利用する場合は、オペレーターがすべての電話を一次受付し、折り返し連絡などの対応が必要なものかどうかを精査したうえで報告するのが一般的な流れです。セールスや勧誘、迷惑電話などの対応にかかっていた無駄な時間と労力がなくなるので、時間を有効に使えるようになります。

4つ目のメリットは、スタッフ採用や教育にかかるコストや手間を削減できることです。電話対応に追われるスタッフの負担を減らすために、スタッフの増員を考えることもあるでしょう。しかし、採用にも維持にも教育にもかなりのコストがかかります。そのために採用を見送っている企業も多いのではないでしょうか。電話代行会社は複数のプランを用意している場合が多く、予算に応じて必要なサービスだけを選ぶことができます。十分な教育が済んでいるスタッフを格安で利用できるのは、企業にとって大きなメリットといってよいでしょう。

電話代行が合うケース
電話代行が合うのは、すでに事務所を構えていて、電話応対に関するトラブルを抱えている企業です。「朝の忙しい時間帯に電話が集中して困る」「事務所の人数が少なくて電話に出損なうことが多い」「着信履歴を見ると、時間外や夜間、休日の受信が多い」という悩みを抱えている企業は少なくないでしょう。決まった時間帯に電話が集中するような業界、業種の場合、電話代行を利用すれば、電話応対に手を煩わされることがなくなり、業務に集中しやすくなります。事務所の人数が少なく、対応できる電話の本数が限られる場合は、電話代行に任せることで、取りこぼしがなくなります。確実に電話に出られるようになり、大事な用件も漏らすことがなく対応できるようになるため、業績アップにもつながるでしょう。

着信履歴を確認したとき、時間外や夜間、休日の着信が多い場合は、24時間365日対応の電話代行の利用がおすすめです。電話がつながりにくい時間帯にわざわざ電話をかけてきているということは、相手にとってそれだけ大事な用件である可能性があります。電話がつながれば、契約や商談につながる可能性が高いので、そこで電話に出られないのはとてももったいないことです。緊急の用件で電話をかけている相手は、流れで競合他社に話を持っていくかもしれません。せっかくの商機を逃すだけでなく、他社に潜在顧客を渡してしまうことにもなりかねないのですから、きちんと対策すべきでしょう。

電話代行は、中小企業や個人事業主など、電話応対専門の人員を配置できない企業に向いています。不動産業界や士業、ネットショップなど、特定の業界や業態に特化したプランを用意している電話代行会社もあるので、利用することで日ごろ感じている困りごとを解決できるかもしれません。

レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィスのメリットは、オフィスを維持するのにかかるコストを抑えられるという点です。通常の事務所を賃貸する場合はスペースが広いため、賃料そのものが高いうえに、別途管理費や水道光熱費がかかります。備品もすべて自前でそろえなければなりません。その点、レンタルオフィスの場合、事務所として借りるスペースは人数に応じて適当なサイズ感のものを選ぶことができ、共有部分の管理費や水道光熱費が初めから賃料に含まれているケースがほとんどです。デスクや椅子などの備品も最初から設置されているため、自分で用意する必要がありません。ネット環境も整っていますから、契約したらすぐに事務所として使えます。業務に必要なコピー機やFAXは共有の設備として設置されていることが多く、初期費用を大幅に抑えられるのは魅力です。

共用の会議室や応接室なども必要に応じて借りられるので、自前で広い事務所を借りる余裕がなくても業務をスタートできます。ただし、サービス会社によって利用料が違うだけでなく、利用料の内訳も異なるので注意が必要です。会議室の利用料が賃料に含まれている場合と、会議室の使用や清掃の費用を別途請求される場合があるので事前に確認しましょう。

レンタルオフィスの多くが、立地の良い場所にあることもメリットの1つです。都心の駅に違い場所に営業拠点があるという利便性はもちろん、登記の住所として利用できるので、都心の一等地に事務所を構えていることが会社の信用度アップにもつながります。さらに、レンタルオフィスは、利用形態の変更が比較的簡単です。少人数でスタートしたときには、小さなスペースを借りることから始め、事業の拡大と共に大きなオフィスに借り換えることもできます。この場合でも、さまざまなタイプのオフィスを提供しているレンタルオフィスなら、同一住所で移動することも可能です。登記した住所の変更も、引っ越しの連絡も不要なので、無駄なコストの削減にもなります。規模の拡大縮小に合わせやすいレンタルオフィスを利用することで、柔軟にビジネスを展開できるでしょう。

レンタルオフィスが合うケース
レンタルオフィスが合うケースもいくつかあります。まず、初めて事務所を開く場合です。事務所の賃料、設備にかかる費用などを抑えられるだけでなく、登記の住所も利便性の良い場所を選べます。少人数でスタートする場合、受付や電話対応をするスタッフを雇う余裕がないこともあるでしょう。受付や電話対応はレンタルオフィスのサービスを利用すれば、メインの業務に集中することができるので、スタートダッシュするのに向いています。

メインの事務所のほかに支店や出張所を置きたい場合もレンタルオフィスは便利です。支店や出張所に多くの人数を常駐させないのであれば、広い事務所は必要ありません。スペースの広さに応じて、デスクや椅子などの備品が備え付けられているレンタルオフィスを借りることでさまざまな無駄を省けます。スタッフが常駐していなくても、レンタルオフィスなら、郵便物の受け取りや電話の応対を任せられるというのも便利な点です。業種によっては許認可が必要なため、バーチャルオフィスやシェアオフィスの利用ができません。税理士や宅建業、人材紹介業などの場合もレンタルオフィスの利用が良いでしょう。

電話代行・レンタルオフィスの利用で何が変わる？

電話代行やレンタルオフィスのメリットを知ったうえで、それらを利用することによって何が変わるのかを考えてみましょう。

電話代行の利用で変わること
電話代行を利用することで、時間の有効利用ができるようになります。電話対応自体は、ビジネス上必要なものです。電話に出ることが時間の無駄かというとそうでない場合がほとんどですが、かかってきた電話は出てみるまで内容がわかりません。ビジネスに無関係なセールスや勧誘の電話に出てしまうことは時間の無駄です。しかも、多くの場合、別の業務をしている手を止めて電話に出ることになります。確実に電話に出ようとすると、集中できません。細切れで作業することによって余分な時間がかかるのであれば、やはり電話に出ることで時間を無駄遣いしていることになります。そのような点から、電話代行の利用が時間の有効利用につながるといえるのです。

電話代行の利用は、コストのかけ方を変化さえることにもなるでしょう。電話に出るために人を雇うという発想から、アウトソーシングで補うという発想に転換することになるので、スタッフの採用や教育にかけていたコストが必要なくなります。スタッフを維持するための人件費と比べれば、電話代行の利用料は格安です。電話応対に追われていたこれまでのスタッフの負担が減るうえに、スタッフが途中でやめてしまうリスクもなくなるので、コストのかけどころが確実に変わります。

さらに、電話がつながりやすくなったり、電話の受付時間が24時間365日になったりすれば、顧客の企業に対するイメージが大きく変わるでしょう。きちんと対応してくれる、質問すればすぐに答えてくれると感じる顧客が増えれば、企業の印象はよくなるはずです。電話をかけてくる人にとって、誰が対応しているかということよりも、電話がつながるかどうかが大きな問題なので、電話がつながれば安心します。商談や契約の電話でなくても、取り損なっていた電話に確実に出られるようになることは、それだけ大きな意味を持つものです。

レンタルオフィスの利用で変わること
レンタルオフィスの利用で、オフィスというもののとらえ方が変わるでしょう。オフィスはビジネスのホームベースですから、広いオフィスを構えている企業を立派だと感じるかもしれません。しかし、オフィスの使い方は業種や業態によってさまざまです。ほとんど人が出払って不在になってしまうのに、広いスペースを構えているのは無駄が多いと気づくきっかけになるかもしれません。月に1回程度しか利用しない会議室に広いスペースを割いていることを無駄だと感じることもあるでしょう。必要最低限の設備がそろっていれば十分であることが分かれば、コストのかけどころも変わってくるはずです。

各サービスを選ぶ際のポイントは？

最後に電話代行、レンタルオフィスそれぞれのサービスを選ぶ際のポイントを確認しましょう。

電話代行のチェックポイント
電話代行を利用する際、もっともチェックしなければならないのはオペレーターの質です。サービスの内容や価格の安さに目が行きがちですが、オペレーターの質が悪ければ、自社の課題解決にはつながりません。オペレーターの質を確認するためには、まず問い合わせの電話をしてみるとよいでしょう。プロの電話代行を謳いながら、問い合わせの対応がうまくできていないようなら、任せられるレベルとは言いかねます。

利用してみたいと感じる電話代行サービスが複数あるなら、無料お試しを利用して、実際に利用しながら確認するのも1つの方法です。実際に使ってみることによって、オペレーターの質を確認できるのはもちろん、使い勝手も分かります。実際に使ってみることによって、気づいていなかった問題が見えてくることもあるでしょう。

レンタルオフィスのチェックポイント
レンタルオフィスを選ぶときにまずチェックしたいのは、完全個室か半個室かという点です。個室はプライバシーを保てるという点では優れていますが、完全に仕切られている分、空調や火災報知器の設備をそれぞれ設置しなければなりません。余分なコストがかかるので注意が必要です。半個室の場合は壁の上下が空いているので、目隠しはできていても声が漏れてしまいます。空調は共有になるのでコストを抑えられますが、温度調整は自由にできません。契約してから空調が思うように使えないというのでは不満も出てくるので、前もってチェックしておきましょう。

どこまでが共有になるのかというチェックも必要です。空調が共有の場合は、時間外はどうなるのかという点も確認しておく必要があります。24時間利用できるレンタルオフィスにもかかわらず、夜間はレンタルオフィスのスタッフが不在になり、空調が切れてしまうというケースもあるようです。営業時間が何時から何時までで、スタッフは何時までいるのかということも事前にチェックしておきましょう。共益費の内訳を確認することも忘れてはいけません。郵便物の取り扱いや法人登記に余分な費用がかかるのかということも必ず確認するようにしましょう。